心理系専門支援員インタビュー

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    スタッフロールで働く支援員のリアルに迫るスタッフインタビュー。今回取材したいのは、臨床心理士と公認心理師の資格を持つ心理系専門支援員の宮本知弥です。思うところがあり、以前働いていた医療機関から転職を決めた彼の考えや、いま携わっている仕事、今後の目標などについて聞いてみました。

    Q:前の職場から転職を考えたきっかけは?

    わたしがやっていきたいことと、以前勤めていた医療機関のやりたいことにズレがあるのがわかったからです。

    わたしは、患者様により良い治療やサービスを受けてもらうために外部のリソースを活用すべきだと考えていたのですが、前の職場は外部の支援施設等とのつながりをつくるのに消極的でした。それは、精神疾患のある患者様の治療において、「どんな症状でも快復してみせる」というプライドがあったのも事実ですが、「経営を維持するために収益を上げる」といった考えも少なからずあったと思います。

    それであっても患者様にとって最適な治療が提供出来る環境であれば、もしかしたらわたしも転職を考えることはなかったかもしれません。

    しかし、わたしが勤めていた医療機関は精神保健福祉士、作業療法士、臨床心理士といった医療に携わる人材のみで構成されるところです。そうなると、どうしても視点が狭くなってしまいがちで、できることに限界があると思うようになったのです。

    Q:スタッフロールに入ったきっかけは?

    当社のパーパスのひとつに「人・組織・社会に対し同士との共創による新しい価値観を届ける」という考えがありますが、これは外部リソースの有効活用のことを言っています。まずこれがわたしの考えにマッチしました。

    それともう1つ。

    わたしは「患者様や利用者様に最適なサービスを届けたい」という想いのほかに、「自分の能力を活かして働きたい」という想いもありました。わたしは認知行動療法を学んでいるのですが、この治療法の最終到達地点はセルフコントロール。ビューズは、振り返りを重視した手法を用い、自分の力で社会生活が送れるようにする支援を行うなど、まさに認知行動療法を活かせるステージであったため、そこにピンときたというのもあります。

    Q:いまやっているお仕事は?

    多くのプログラムのファシリテーションを担当させてもらっていますが、主なものを挙げるとすれば「疾病理解」と「スポーツ」「認知行動療法」などですね。

     

    疾病理解

    「疾病理解」は、疾病と自分を理解してもらい、行動の変容を促すプログラムです。病気の理解だけでなく、利用者様自身の個性や考え方のクセに気づいてもらい、それを言語化していく練習を行っています。

    このプログラムは、わたしにとっても大きなやりがいになっているのです。何故かというと、「人が変わる瞬間が見られる」からです。疾病理解のプログラムは、ワークを重ねることで自らの行動が変容し、心がオープンになっていくんですね。

    わたしたち支援員は、きっかけを与えるくらいで、基本は黒子のような存在です。ですから利用者様は自らの力で変わっていくのです。それを目の前で感じることができるので、最高に嬉しい瞬間ですね。

     

    スポーツ

    「スポーツ」は、ボッチャやスロージョギングなどのプログラムと、筋トレを中心にしたプログラムがあります。前者は利用者様同士の交流、後者は習慣の形成が大きな目的となっています。

    習慣の形成は、意志で何とかするのではなく、計画の立て方や出来なかったことの開示など、仕組みで習慣づくりをしていきます。

     

    認知行動療法

    「認知行動療法」は、先述の通りセルフコントロールが目的ですが、何をするかというと事実ベースで考えるクセをつけてもらいます。利用者様のなかには、ある事象に対しネガティブな思考を働かせて、自らを追い詰めてしまう方が多くいます。しかしそうではなく、実際の相手の行動などを書き出すなどして、その前後の出来事や状況、前提など事実に基づいた捉え方をしてもらうようにするのです。

    Q:これからの社会貢献の目標は?

    カウンセリングのインフラ整備をしていきたいと考えています。これは転職のきっかけのところで話したこととつながりますが、心理士ひとりのカウンセリングではやれることに限界があります。

    そのため、多くのプロフェッショナルが施設にアクセスできるようなプラットフォームをつくれたらと時折構想しています。

    さらに言えば、施設に通うハードルも同時に下げたいですね。臨床心理士などに診てもらうことってはじめての方は特に勇気がいると思うんです。しかし、そうではないことをわたしたちが発信し、多くの人が普通に利用できる社会にしていきたいなぁと考えています。

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